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収入保障保険は必要?共働きだからこそ考える死亡保障の決め方

この記事の要点

  • 収入保障保険は「亡くなったら満了まで毎月◯万円」が出る保険。子どもの成長とともに必要額が減っていく子育て期と形がぴったり合う、ムダの少ない掛け方。
  • 必要額は「これから出ていくお金 −(残された側の収入+遺族年金+貯蓄)」の引き算だけ。共働きは引かれる側に給与が残るぶん、片働きより必要額がぐっと小さくなる。
  • 収入が一方に7〜8割偏っているなら、その人に厚く。5:5に近いなら互いに薄めで足りる。ここを取り違えると掛けすぎる。
  • 持ち家+団信なら、ローン返済分はもう保障済み。住居費まるごとを死亡保障で備えると確実に二重になる。賃貸はその逆で、家賃が丸ごと残る。
  • 本記事は2024〜2025年時点の一般的な制度・考え方。遺族年金や税は改正で動くので、最新と自分の見込み額は日本年金機構・保険会社・専門家へ。
共働きの最大の強みは、互いが互いの保険のような存在でいられることです。

毎月もらえる保険、なぜ共働きで刺さるのか

収入保障保険は、契約者が亡くなる(または高度障害になる)と、満了まで毎月決まった額——たとえば月15万円——が遺族に振り込まれる死亡保険です。まとまった一千万円単位が一度に出る定期保険とは違い、給与の代わりが毎月届く。残された家族からすれば、家計の口座にいつもの入金が続く感覚に近い。

肝心なのは、保障が勝手に減っていくこと。60歳満了の契約なら、30歳で万一があれば30年ぶん受け取れますが、55歳なら残り5年ぶんしか出ません。一見ケチに見えて、これがよくできている。必要保障額が一番ふくらむのは子どもが小さい今で、子の独立とともにしぼんでいく。その現実のカーブと給付の形が重なるから、同じ保障を定期保険で持つより保険料が安く済むわけです。

共働きでこの保険の話が出るのは、両極端の失敗がどちらも起きやすいから。片働き向けにつくられた「死亡保障◯千万円」をそのまま当てると、残された側にも給与があるのに保険を掛けすぎる。逆に「二馬力だから保険なんて要らない」と決めつけると、片方が欠けたときの穴をそっくり見落とす。どちらも、世帯の収入の内訳を一度ちゃんと見れば防げます。

手取りからの世帯家計バランス(目安配分)
手取りを“割合”で配る(一例)手取り100%の配分住居28生活費25教育・こども15保険8貯蓄・投資18予備費6

※割合は一例です。住居費の重い都市部などでは配分が変わります。世帯の事情に合わせて調整を。

共働きの必要額は、引き算で出す

計算式は拍子抜けするほど単純です。これを夫・妻それぞれ、片方が亡くなった前提で一人ずつ回します。

必要保障額 =(これからの生活費+教育費+住居費)−(残された側の収入+遺族年金などの公的給付+今ある貯蓄・資産)

共働きで効くのは、引く側の「残された側の収入」です。片働きは大黒柱を失えば世帯収入がほぼゼロに落ちる。共働きは残った側の給与がそのまま続く。だから保険で埋めるべき穴は最初から小さい。ここを忘れて片働きの相場で入ると、毎月の保険料をドブに捨てることになります。

次に、遺族に渡る公的給付を引きます。会社員(厚生年金)の世帯なら、子のいる配偶者には遺族基礎年金と遺族厚生年金が出るのが普通。額や条件は、加入していた年金の種類・加入期間・子の人数と年齢で変わります。問題は自営業(国民年金のみ)で、こちらは遺族厚生年金がなく、遺族基礎年金も末子が18歳到達年度末を過ぎれば打ち切り。会社員より穴は明らかに大きい。フリーランス夫婦は、ここを甘く見ないこと。遺族年金は改正で内容が動きます。自分の見込み額は日本年金機構や「ねんきんネット」、社会保険労務士で確認を。

そして、支出側で必ず抜け落ちるのが残された側が働き続けるための費用です。一人で子育てと仕事を回すと、保育・学童の延長、家事代行、病児保育が一気に増える。時間が足りない世帯ほど、ここを月数万円単位で生活費に積み増しておく。これを入れずに出した必要額は、たいてい現実より低く出ます。

団信があるなら、住居費を二重に備えるな

持ち家で団体信用生命保険(団信)に入っているなら、ローン契約者が亡くなった瞬間に住宅ローンの残債はゼロになります。その後に残る住居費は、管理費・修繕積立金・固定資産税くらい。毎月のローン返済は消える。

ここを知らずに「住居費まるごと」を死亡保障に積むと、団信ときれいに二重になる。必要額を出すときは、団信が消してくれる返済分を支出から先に抜く。順番を守るだけで、掛けすぎが一つ減ります。

ただし落とし穴が二つ。ひとつ、ペアローンや連帯債務は団信の付き方が組み方しだいです。片方にしか団信が付いていない、あるいは各自の借入分しか消えない形だと、片方が亡くなってももう一方の返済がそっくり残る。契約書で「どちらが、いくら、団信に入っているか」を必ず確認してください。ふたつ、賃貸はそもそも団信がない。家賃は丸ごと支出として残るので、持ち家世帯より必要額は大きく出ます。自分がどちらかで、結論は反対方向に振れます。

収入の内訳で、厚みの置き場所は変わる

同じ共働きでも、稼ぎの分担で最適解はまるで別物になります。代表的な三つの型で整理します。下表の構成比は考え方を示す例で、実際の必要額は各家庭の支出・資産・公的給付で変わります。

世帯の型収入の構成(例)保障の置き方
一方に偏る型 一方が世帯収入の7〜8割 稼ぎの柱に厚く。柱が欠けたときの打撃が大きい。もう一方は薄くてよい。
拮抗する型 おおむね5:5〜6:4 双方に中くらいを均等に。どちらが欠けても収入が約半分になる前提で備える。
時短・育休を含む型 一方が一時的に減収中 復職後の収入を見込みつつ、手薄な数年だけ厚く。状況が動く前提で見直す。

軸は一つ、「その人が欠けたとき、家計がどれだけ揺れるか」。偏り型は柱への保障が最優先で、これを外すと一発で破綻する。拮抗型は、片方の収入が消えても残り収入+遺族年金+保険で生活費と教育費が回るか、夫側・妻側の両方で確かめる。育休・時短中の世帯がやりがちな失敗は、今の手薄な状態を「ずっと続くもの」と思い込んで大きく入ること。その局面は固定ではないので、復職や昇給のたびに削る前提で組んでおく。

この保険が向く世帯、向かない世帯

商品としての相性も、はっきりさせておきます。

  • 向く: 子育て期で必要保障が年々減る世帯。月々の生活費を給与のように埋めたい世帯。保険料を抑えつつ、必要な期間だけ厚く持ちたい世帯。ここに当てはまるなら、第一候補にしてよい。
  • 一工夫が要る: 葬儀費用や当面の予備資金など、まとまった一時金も欲しい世帯。収入保障は毎月受け取りが基本で一括の使い勝手が悪いので、少額の定期保険か貯蓄を足して補う。
  • そもそも大きく要らない: 子がいない、または貯蓄・資産が厚く、片方を失っても残る収入と資産で暮らせる世帯。ここで無理に大きく入るのは保険会社を儲けさせるだけです。

受け取り方も一点。毎月の「年金形式」か「一括」かで、税金や手取りの扱いが変わることがあります。税は契約者・被保険者・受取人の関係や受取方法で違い、改正もあります。具体的な税額は国税庁の情報か税理士へ。

家計を見直す共働き夫婦の手元
家計を見直す共働き夫婦の手元

今日やる、過不足を消す3ステップ

迷いを行動に落とします。週末の一時間で終わります。

  1. 支出を書き出す: 末子が独立するまでの生活費・教育費・(賃貸なら)住居費をざっと出す。持ち家+団信ならローン返済分はここで外す。
  2. 引き算する: 残された側の手取り見込み+遺族年金の概算+今ある貯蓄を足し、支出から引く。プラスなら追加保障は小さく、マイナスならその穴がそのまま必要保障額。これを夫・妻それぞれでやる。片方だけで終わらせない。
  3. 商品を当てる: 毎月の不足は収入保障保険で、一時金が要るぶんは少額の定期保険か貯蓄で埋める。最後に、団信と既加入の保険でダブっていないかを点検する。

勘どころは二つだけ。夫婦二人ぶんを別々に試算すること。そして子の成長や働き方が変わる数年ごとに削り直すこと。共働きの最大の強みは、互いが互いの保険のような存在でいられることです。その前提を数字に落とせば、片働き向けの「とりあえず大きく」も、二馬力だからの「どうせ要らない」も、どちらの罠も踏まずに済む。ローンの組み方や世帯の家計まで含めて一度整理したいなら、公的窓口か独立系の専門家に当たるのが結局いちばん早い。住まいとお金をまとめて見直すなら無料診断で現状を可視化するところから始めても。

過不足を消す、わが家の保障チェック

  • 末子が独立するまでの生活費・教育費・(賃貸なら)住居費を書き出す
  • 持ち家+団信ならローン返済分を支出から先に外す
  • 残された側の手取り見込み+遺族年金の概算+今ある貯蓄を支出から引く
  • この引き算を夫・妻それぞれ別々に試算する
  • 毎月の不足は収入保障保険、一時金が要るぶんは定期保険か貯蓄で埋める
  • 団信と既加入の保険でダブっていないかを点検し、数年ごとに削り直す

よくある質問

共働きでも収入保障保険は必要ですか

一般に、片方の収入が途絶えても生活が成り立つ世帯ほど必要性は下がるとされます。ただしお子様の教育費や住宅ローンの返済が続く場合、残された側の負担は小さくありません。世帯の支出構造と既存の保障を踏まえ、必要額を見極めることが大切です。

収入保障保険と定期保険はどちらを選ぶべきですか

収入保障保険は時間の経過とともに受取総額が逓減するため、必要保障が年々下がる子育て世帯と相性がよいとされます。一方、定期保険は一括で大きな保障を確保しやすい形です。どちらが適するかは必要保障の推移により異なり、専門家への確認をおすすめします。

死亡保障額はどのように決めればよいですか

一般に、将来の支出から遺族年金などの公的保障や貯蓄、配偶者の収入を差し引いた不足分が目安とされます。共働きでは公的保障や世帯収入が手厚い場合も多く、過大な保障は保険料の無駄になりがちです。試算は最新の制度に基づき確認なさってください。

住宅ローンの団体信用生命保険があれば死亡保障は不要ですか

団体信用生命保険により住宅ローンは原則完済されますが、これは住居費部分を補うものにすぎません。生活費や教育費は別途必要となります。団信でカバーされる範囲を整理したうえで、残る不足分を保障で備える考え方が現実的です。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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