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住まい・ローン

持病があると団信に入れない?引受緩和型(ワイド団信)と非加入で借りる代替策の全手順

この記事の要点

  • 団信に一行で落ちても、住宅購入はまず詰まない。動き方は「通常団信 → ワイド団信 → フラット35(団信任意)+生命保険で残高分を別建て」の三段。上から順に当たるのが金利でも保障でも一番得をする。
  • 告知は正確に書く。これだけは妥協しない。軽く書いて通しても、いざ死亡したときに告知義務違反で保険金が出ず、家族にローンだけが残る。本末転倒の典型。
  • ワイド団信は通りやすい代わりに金利が年+0.2〜0.3%程度上乗せされる。35年・借入5,000万円規模なら総返済額の差は数百万円に届く。「保険料」として割に合うかを総額で見て決める。
  • 団信なしで借りるなら、収入保障保険など掛け捨てでローン残高分の死亡保障を別に持つ。残高は毎年減るので保障も減らせる。
  • 否決基準は金融機関ごとにバラバラ。事前審査の段階から最低3行を同時並行で回す。一行に絞って落ちると、その時点でスケジュールが崩れるのが一番痛い。
団信に一行で落ちても、住宅購入はまず詰まない。

40代でローンを組むと、20代・30代のときには考えなくてよかった壁が一つ増える。健康だ。高血圧、糖尿病、過去の手術歴、健診の要再検査。年齢相応に何かしら抱えている人は多い。そこで出てくるのが団体信用生命保険(団信)の審査で、「持病があると団信に入れず、住宅ローンそのものが組めないのでは」という不安は、思い込みではなく実際に起こり得る話だ。

ただ、落ちて即終了ではない。健康面に不安があっても借りる手は複数ある。問題は、その全体像を知らないまま一行で落ちて諦めてしまうこと。以下では団信の仕組みから、ワイド団信、団信なしで借りる方法、否決されたときの順番までを、どれを選ぶべきかまで踏み込んで整理する。なお内容は2024〜2025年時点の一般的なもので、最新の取扱い・金利・保障は各金融機関や保険会社の公式情報、専門家に確認してほしい。健康・医療の記述も一般情報で、医師の診断に代わるものではない。

団信の審査で落ちる、とはどういうことか

団信は、契約者が返済中に死亡したり所定の高度障害になったりしたとき、保険金でローン残高がそのまま完済される仕組み。残された家族が住まいとローンを同時に背負わずに済む。だから多くの民間銀行は団信加入をローンの実質的な条件にしている。つまり団信に入れない=その銀行では借りられない、が成立してしまう。

団信も生命保険だから、加入時に健康状態の「告知」が要る。その内容次第で引受を断られる。これが「持病があると団信に通らない」の正体だ。

ここで知っておくべき一点。引受の可否は金融機関・保険会社ごとに判断され、基準は統一されていない。A銀行で否決された人がB銀行の通常団信ではあっさり通る、ということが普通に起きる。この事実を知っているかどうかで、否決された後の動きがまるで変わる。

賃貸と購入の累計住居コスト(概念イメージ)
累計住居コスト(イメージ・指数)0408012016005101520253035経過年数(年)おおむね19年前後で逆転賃貸(家賃が積み上がる)購入(ローン+維持費)

※金利・物件価格・家賃・住む年数で結果は大きく変わる概念図です。実際の数値は必ずご確認ください。

健康不安があるときの三段構え

健康に事情を抱えながら借りるなら、次の三段で考える。上から順に試す。いきなり下に飛ばないこと。

選択肢団信の扱い金利の傾向向いている人
通常の団信つき住宅ローン通常基準で加入標準的軽度・治療が安定している人。まずここに挑戦
引受緩和型(ワイド団信)緩和基準で加入上乗せあり(目安 年+0.2〜0.3%程度)通常団信は不安だが死亡保障は確保したい人
フラット35など団信任意のローン加入しない選択も可団信分の負担なし。代わりに保障を自前で手当て団信に入れない/入らない人。生命保険で代替する人

強調したいのは、最初から「どうせ無理」と決めて二段目・三段目に飛ばないこと。持病があっても、治療がコントロールできていれば通常団信に通る例は多い。たとえば降圧剤で血圧が安定している、HbA1cが落ち着いている、といったケースだ。上から当たれば金利も保障も一番有利な形に収まる。一段目を試さずに金利上乗せを自分から選ぶ理由はない。

告知は「正確に書く」。ここだけは絶対に妥協しない

団信加入で一番重い判断が告知だ。申込書には過去数年の通院・入院・手術歴、現在治療中の病気、健診での指摘事項を書く欄がある。やってはいけないのは、通したい一心で書かない・軽く書くこと。

仮にそれで通っても、後で発覚すれば告知義務違反として契約が解除される。そして肝心の死亡時に保険金が出ない。残るのは住宅ローンだけ。家族を守るために入ったはずの保険が、家族をローンごと路頭に立たせる。これが最悪のシナリオで、告知を盛らない理由のすべてだ。

押さえるべき点は三つ。

  • 聞かれたことに正確に答える。聞かれていないことまで自己申告する必要はない。ただし該当する欄は正直に埋める。
  • あいまいな記憶は調べてから書く。病名・時期・治療状況は、お薬手帳、健診結果、診療明細で裏を取ってから記入する。「たしか3年くらい前」を「平成何年の何月」まで詰めておく。
  • 治療中=即否決ではない。数値が安定している、経過観察のみ、といった状況は判断が割れる領域。正直に書いた上で保険会社の判断を仰ぐ。書く前から諦めない。

正確に告知した上で落ちたなら、それは次の段へ進む合図にすぎない。ごまかして通すより、はるかに筋がいい。

ワイド団信は「金利を払って保障を買う」現実解

通常団信が難しいときの本命がワイド団信だ。高血圧、糖尿病、肝機能の数値異常、過去の病歴など、通常団信では断られる状態でも加入できる可能性が広がる。死亡・高度障害でローン残高がカバーされ、通常ローンと同じ安心が手に入る。これが最大の価値。

一方で、見落とすと痛い注意点がある。

  • 金利の上乗せ。目安は年+0.2〜0.3%程度。実際の幅は金融機関で違う。
  • 緩いだけで審査はある。基準がやさしいだけで、誰でも通るわけではない。状態次第で否決もある。
  • 扱う銀行が限られる。全行が用意しているわけではない。扱いのある銀行を探す手間がかかる。

+0.3%は数字としては小さく見える。だが35年の長期で効いてくる。借入5,000万円・35年なら、上乗せ分だけで総返済額の差は数百万円規模に届く。金額が大きいほど差は開く。だから申し込む前に、通常団信との総返済額の差を必ず試算する。その差額を「家族を守るための保険料」と読み替えて、払う価値があるかで判断する。これが唯一まともな決め方だ。住宅ローンと保障を一枚で俯瞰したいなら、無料診断で全体像を整理してから動くと判断がぶれない。

団信なしで借りるなら、保障の穴を自分で塞ぐ

ワイド団信も難しい、あるいは上乗せ金利を避けたい。その場合の選択肢が団信任意のローンだ。代表は住宅金融支援機構と民間が組むフラット35で、団信加入は任意。健康を理由に団信に入れなくても、ローン自体は借りられる可能性がある。

ただし団信なしで借りるということは、自分に万一があってもローン残高が消えないということ。家族が返済を引き継ぐ。ここを放置して借りるのは無防備すぎる。塞ぎ方は決まっている。生命保険でローン残高に相当する死亡保障を別に持つ。手順はこうだ。

  1. 必要な保障額を出す。借入額(=当面のローン残高)を基準に、既加入の生命保険でどこまで賄えるかを確認する。
  2. 不足分を掛け捨てで埋める。収入保障保険や定期保険など、保険料を抑えやすい掛け捨て型で上乗せする。貯蓄型は割高になりやすいのでここでは不向き。
  3. 健康状態に合う商品を選ぶ。持病があっても入りやすい引受緩和型・無選択型もある。ただし保険料は割高。割高でも必要なら入る、という順で考える。
  4. 残高が減ったら保障も減らす。ローン残高は毎年減る。保障を据え置くと払いすぎになる。数年ごとに見直して無駄を削る。

団信ありとの差は、保障を自分で設計・管理する手間が増えること。逆に言えば、家計に合わせて保障を柔軟に組み替えられる。金利差・保険料・健康状態によって有利不利は入れ替わるので、団信あり/なしを総返済額+保険料の合計で並べて比べる。比べずに「フラットだから安い」と飛びつくのが一番危ない。

告知資料を机で確認する手元
告知資料を机で確認する手元

否決されたときの動き方

団信に落ちても、住宅購入を諦める段階ではない。次の順で淡々と動く。

  1. 否決の事実だけ受け止める。団信の否決理由は本人にも詳しく開示されないことが多い。理由を詮索する時間を、次の一手に回す。
  2. 別の銀行・別の団信に当たる。引受基準は会社ごとに違う。一行で落ちても他行やワイド団信で通ることがある。
  3. ワイド団信に切り替える。通常団信が難しいと分かった時点で、扱いのある銀行に相談する。
  4. フラット35など団信任意に切り替える。団信なしで借り、生命保険で保障を別建てする。
  5. 名義・組み方を見直す。配偶者が健康面で問題なければ、配偶者を主たる債務者にする、収入合算やペアローンにするなど、世帯として組み直す余地がある。それぞれ離婚・相続時の扱いなど注意点があるので専門家に相談を。

40代の購入で一番痛いのは、審査の手戻りで時間を失うこと。物件には他の買い手がいる。だから最初から一行に絞らず、事前審査の段階で最低3行を同時並行で回し、団信の見込みも含めて相談しておく。一つが否決されても全体のスケジュールが崩れない。これが現実的な保険だ。

まとめ:落ちても道は一本ではない

持病や既往症があると団信に通らないのでは、という不安は、選択肢の全体像を握れば確実に軽くなる。通常団信 → ワイド団信 → 団信任意のローン+生命保険。この三段を覚えておけば、一行の否決で終わらないことが見える。

動き方は三つに絞れる。一、告知は正確に。盛って通すと家族を守れない。二、上の段から、複数行を同時並行で。三、上乗せ金利も別建ての保険料も、必ず総額で試算して「家族のために払う価値があるか」で判断する。住宅・税・保険・医療の最終判断は、最新の制度を踏まえて金融機関やファイナンシャル・プランナー、保険の専門家に相談してから進めてほしい。健康の事情は、住まいを諦める理由にはならない。

健康に不安があるときの団信・借り方チェックリスト

  • まず通常団信から挑戦し、いきなりワイド団信や団信任意に飛ばない
  • 告知欄はお薬手帳・健診結果・診療明細で裏を取り、病名と時期を正確に書く
  • ワイド団信は通常団信との総返済額の差を試算し、保険料として割に合うか判断する
  • 団信なしで借りるなら、ローン残高相当の死亡保障を掛け捨て型で別に持つ
  • 団信あり/なしを総返済額+保険料の合計で並べて比べる
  • 事前審査の段階で最低3行を同時並行で回し、団信の見込みも相談しておく

よくある質問

持病があると団信(団体信用生命保険)には必ず入れないのですか?

必ずしもそうではございません。一般に、通常の団信が難しい場合でも、引受条件を緩めた「ワイド団信」で加入できる例があります。可否や保険料の上乗せ幅は告知内容や保険会社により異なりますので、最新の条件は各金融機関・保険会社の公式情報や専門家にご確認ください。

ワイド団信は通常の団信と何が違いますか?デメリットはありますか?

ワイド団信は引受基準を緩和した商品で、一般に通常の団信より加入しやすい一方、金利の上乗せという形で負担が増えるのが通例です。上乗せ幅や対象となる持病の範囲は商品ごとに異なります。条件比較の際は、総返済額への影響も含めて専門家にご相談ください。

団信に加入できない場合、住宅ローンは諦めるしかないのでしょうか?

諦める必要はございません。一般に、団信加入を必須としない住宅ローン(フラット35など団信任意型とされる商品)を選ぶ、配偶者名義で借りる、頭金を厚くするといった代替策が検討されます。各手法には条件や留保がありますので、金融機関や専門家への確認をおすすめします。

団信に入らずに借りる場合、万一に備えてどうすればよいですか?

一般に、団信非加入で借りる際は、別途、収入保障保険や定期生命保険などで残債相当を備える方法が検討されます。ただし健康状態によっては一般の生命保険も引受が難しい場合があり、これは一般的情報であり個別の可否は医師の診断や保険会社の判断に委ねられます。設計はFP等の専門家にご相談ください。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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