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中学受験はいくらかかる?住宅購入のときに決めておく教育費

この記事の要点

  • 中学受験の塾代は小4・小5・小6と右肩上がりで、最後の1年が突出して重い。「3年でいくら」より「ピークの1年でいくら」を見ておくのが正しい。
  • 私立中高は授業料だけ見ると判断を誤る。入学金・施設費・教材費・制服・課外費が積み上がり、合格はゴールではなく次の固定費のスタートだと考えること。
  • 本当の地雷は塾代ピーク(小4〜小6)と住宅ローン返済が同じ数年に重なること。30代で都心に家を買った共働きは、ほぼ全員ここでぶつかる。
  • 借入額は「今の手取り」でなく「子が小6の年の手取り」から逆算する。これをやらないと「払えるのに貯まらない」数年が来る。
  • 本文の金額は2024〜2025年時点の一般的な目安。制度や相場は変わるため、最新は公式情報や専門家にご確認ください。
進路を今すぐ決める必要はない。選択肢を残せるだけの設計を、住宅という最大の固定費を決めるその瞬間に済ませておくこと。

「合計いくら」を知っても、たぶん役に立たない

中学受験の費用を調べると、最初に出てくるのは「総額◯◯万円」という数字だ。だが、その数字を握ったところで家計の判断にはほとんど効かない。問題は合計額ではなく、お金が出ていくタイミングがずれて、しかも一番きつい時期が他の支出と重なることにある。

中学受験向けの通塾は、小4(新4年=小3の2月開始が主流)から始める家庭が多い。そこから費用は小4 < 小5 < 小6 と段階的に膨らむ。特に小6は、通常授業に季節講習・志望校別対策・模試が一気に乗ってくる。つまりカーブは緩やかな右肩上がりではなく、最後の1年だけ崖のように立ち上がる。家計に効くのはこの崖の高さだ。

塾代は「月謝以外」が効いてくる

金額は塾・コース・地域で大きく違うので、ここは構造として押さえてほしい。大手進学塾だと、毎月の月謝に加えて、春夏冬の講習費、教材費、模試代、小6では志望校別講座が上乗せされる。学年が上がるほど「月謝以外」の比率が上がるのがやっかいで、月謝だけで予算を組むと小6で必ず読み違える。

学年主な内容負担の傾向
小4通常授業が中心比較的軽い
小5授業時間・科目が増える中程度に増加
小6通常授業+季節講習+志望校別+模試ピーク。突出して重い

3年分の総額は通塾スタイルでかなり変わる。集団塾中心でもまとまった額になり、個別指導や家庭教師を足せばさらに上振れする。そして直前期には出願料と複数校の受験料が短期間に集中する。1月〜2月に数校受ければ受験料だけで数万円単位がすぐ飛ぶ。家計に織り込むべきは平均値ではなく、この崖の年に現金がいくら出ていくかだ。

進路別・子ども1人の教育費総額(幼稚園〜大学・目安)
総額(万円)05001,0001,5002,0002,500約820万円すべて公立(大学含む)約1,300万円公立中心(高校〜私立)約2,200万円私立中心(文系)約2,500万円私立中心(理系を含む)

※文部科学省「子供の学習費調査」等の公的調査をもとにした概算目安。学校・地域・習い事で変動します。

合格は終わりではない。私立の学費が始まる

受験が終われば一段落、とはならない。私立中に進めば、今度は授業料を軸とした学費が中高6年ぶん続く。公立との差は授業料そのものだけでなく、入学金、施設設備費、教材費、制服、修学旅行や課外活動費まで積み上がるところにある。これらは「払う・払わない」を選べない、固定費に近い出費だ。

さらに見落とされやすいのが、私立中高に通いながら塾や予備校も併用する家庭が珍しくない点だ。大学受験を見据えれば、学費と通塾費が再び同時に走る時期が来る。教育費は中学受験で一度ピークを打ち、その後も下がりきらずに高止まりする——そう構えておくほうが現実に合う。

教育費は一度きりの大きな買い物ではなく、数年単位で続く固定費に近い。住宅ローンと同じく、点ではなく線で家計を見て決めるべきテーマだ。

論点はひとつ。「住宅ローンとの重なり」だ

都心でマイホームを買う共働きは、30代での購入が多い。すると子どもが小学校高学年になる頃にはローン返済が本格化している。ここで起きるのが、塾代の崖(小4〜小6)と住宅ローン返済が、ぴったり同じ数年に重なるという構造だ。偶然ではなく、ライフプラン上ほぼ必ずこうなる。

世帯年収が高いほど安全、ではない。むしろ逆だ。高所得世帯ほど住宅も教育も水準を上げてしまい、固定費が太る。返済額が手取りに対して重いと、教育費がピークを打つ数年間、貯蓄も投資も急に細る。「払えなくはない。でも貯まらない」——この数年が、共働き高所得世帯が最もはまる穴だ。生活は回っているのに資産が増えない、という静かな停滞が起きる。

家を買う段階で、この順番で決めておく

家を買う時点では、子の進路はまだ白紙のことが多い。だからこそ逆に、中学受験という選択肢を後で選べるように借入額を決めておく意味がある。決め打ちではなく、退路を残す設計だ。次の順番でやると判断がぶれない。

  1. 先に「崖の年」を置く。子の年齢から、小6にあたる西暦を逆算する。きょうだいがいれば、崖が重なる年も洗い出す。下の子の小6と上の子の私立学費が重なる年が、たいてい家計の最深部になる。
  2. その年の手取りを起点にする。今の手取りではなく、教育費が最も重いその年に、塾代・学費を払ってなお返済が回るかで見る。
  3. 借入額は「崖の年でも回る額」に抑える。購入時の余裕で上限を決めない。数年後の一番苦しい年で決める。
  4. 共働き前提を点検する。片方の収入が一時的に落ちても破綻しないか。ペアローンなら、どちらか一方の返済が止まった場合まで必ず想定しておく。

共働きでローンを組むとき、世帯としていくらまで無理がないかは、収入の組み合わせと返済の分担で大きく変わる。無料のペアローン診断で、自分たちの場合の目安をつかんでおくといい。

「今決める」必要はない。「決められる状態」を作る

教育費は、直前に金額を知っても打てる手が少ない。塾の値段は交渉できないし、合格後に学費が嫌だからやめる、とも言えない。一方、家を買うタイミングで「中学受験を選ぶかもしれない数年、家計はどう動くか」を一度シミュレーションしておけば、借入額・繰上返済・教育費の積み立てを、無理なく並走させられる。

進路を今すぐ決める必要はない。やるべきは、選択肢を残せるだけの設計を、住宅という最大の固定費を決めるその瞬間に済ませておくこと。これが、数年後の「払えるけれど貯まらない」を避ける、いちばん確実な一手だ。家の予算と子の進路は別の話に見えて、同じ一枚のキャッシュフロー上にある。

なお、住宅ローン・税・教育費に関する制度や数値(控除や助成の内容など)は2024〜2025年時点の一般的なものであり、改正で変わる。実際の判断にあたっては、最新の公式情報や、ファイナンシャルプランナー・税理士などの専門家にご確認ください。

教育費と住宅予算を見比べる手元
教育費と住宅予算を見比べる手元

家を買う前に決めておく教育費の確認リスト

  • 子の年齢から小6にあたる西暦を逆算し、「崖の年」を置く
  • きょうだいがいれば、塾代と私立学費が重なる年も洗い出す
  • 今の手取りでなく、教育費が最も重い年の手取りを起点に考える
  • 借入額は購入時の余裕でなく「崖の年でも回る額」に抑える
  • ペアローンは片方の返済が止まった場合まで想定しておく
  • 住宅購入前にFP等へ相談し、長期のキャッシュフローを確認する

よくある質問

中学受験は総額でいくらかかりますか?

一般に、塾通いを始める小4から受験までの通塾費に加え、入学後の私立中高の学費まで含めると数百万円規模になるとされます。塾の学年・コース、併願校数、私立か国公立かで大きく変わりますので、概算は各塾・学校の最新の公表費用でご確認ください。

塾はいつから通わせるのが一般的ですか?

一般に、本格的な受験対策は小学4年生(新4年=小3の2月)から始める家庭が多いとされます。ただし開始時期や費用は塾の方針により異なります。早期開始ほど通塾費の累計は増えますので、家計とのバランスを見ながらご検討ください。

住宅ローンと教育費はどう両立して考えればよいですか?

一般に、住宅購入時は教育費のピーク時期と返済額が重なる前提で、返済比率に余裕を持たせる考え方が知られています。中学受験期は支出が増えやすいため、購入前にFP等へ相談し、ご家庭のキャッシュフローを長期で確認されることをおすすめします。

教育費の準備に使える制度はありますか?

一般に、教育資金の準備には学資保険やつみたて投資、自治体の助成など複数の選択肢があるとされます。私立高校等の就学支援金など公的制度は所得要件があり改正も多いため、適用可否や金額は最新の公式情報・専門家へご確認ください。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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